【獣医師が執筆】抜歯が必要なことも?猫の歯肉口内炎について解説

東大宮にある駅前通り動物病院では、日々猫ちゃんの口内炎の治療を行っています。口内炎といっても、軽度のものから重度のものまで様々です。

軽度の場合には、ほとんど症状はありませんが、重度になると痛くて食べられないなどの症状が出ます。

猫ちゃんは、非常に痛みに敏感な生き物ですので(たまに強い子もいます)、食べ方や仕草に異変がある場合には、ぜひご相談くださいませ。

駅前通り動物病院では、猫の歯肉口内炎の治療のための機材を取り揃えています

目次

猫の口内炎ってなに?治療は?

猫の口内炎は、最近では尾側歯肉口内炎と呼ばれており、口の奥の方の粘膜が炎症を起こす病気です。原因については諸説ありますが、免疫のバランス異常(一種のアレルギー反応?)が結果として口内炎を引き起こしていると言われています。

実施する治療は以下の通りです。

・歯周病治療を実施(スケーリングなどのデンタルケア、抗生剤投与、インターフェロン治療、歯磨きなど)

・全臼歯抜歯、全顎抜歯

内科的治療は、軽度の場合や全身麻酔が困難な場合などに実施されます。治療に対する反応性は様々ですが、継続する必要があります。当院ではインターフェロン製剤(商品名:インターベリー)の歯肉粘膜への塗布をご家族に実施して頂くことが多いです。口腔内の消毒と合わせて実施することで改善率が向上します。

外科的治療は、口腔内細菌が歯に溜まることを防ぎ、アレルギー反応を無くす唯一の方法です。外科的な治療では、一見正常に見える歯を抜歯することになります。全臼歯抜歯と全顎抜歯(全部の歯を抜く)があります。

全臼歯抜歯により、70~80%程度で症状の改善がみられます。全顎抜歯により、80~90%程度の改善率が見込めます。

猫の口内炎のチェックポイントは?

以下に猫の口内炎の症状を列挙します。

・口臭

・口の痛み


・よだれが多い

口の痛みですが、猫ちゃんによってさまざまな症状がでますので、これもいくつか列挙します。

口の痛みによる様々な症状

・食べようとするが途中でやめてしまう

・カリカリフードを食べなくなる


・口を触ると嫌がる


・前足で口を気にする仕草をする


・顎をカクカクさせる

写真ものせておきましたが、猫があくびをした際などにぜひ確認してみて下さい!赤い楕円で囲った部分が赤くただれてしまう場合には、歯肉口内炎の可能性が高いです。

猫は抜歯をしても大丈夫なの?

猫ちゃんはすべて抜歯してしまっても食べることに対しては問題ありません。術後は、痛みのコントロールと感染予防のための抗生剤を投与します。術後2,3日は食欲が落ちたりしますが、その後は以前に増してもりもり食べてくれることが多いです。

しかし、まれに全く食べなくなってしまう子がいるのも事実です。とくにカリカリが大好きだったこの場合やストレスを感じやすい子の場合、抜歯後に食べることをやめてしまう猫さんもいます。

私自身も抜歯後に数週間自分から食べることをやめてしまった猫さんを1例だけ経験しています。その猫さんの場合、体力が落ちないように一時的に点滴をしたり、経鼻カテーテルといって、お鼻からチューブを胃の中に通し、栄養をいれる管を設置しました。

幸いその子は、1週間の入院を経て、突然自分から食べ始めました。その瞬間は今でも忘れられません。

そのため、当院で猫の歯肉口内炎で抜歯を実施する際には、必ず術後のケアについてもお話するようにしています。毎日一緒にいるのは、ご家族ですので、ご家族が術後も不安にならないように全力でサポートしています。

猫の口内炎に対する抜歯治療の流れ

STEP
麻酔前検査

全身状態把握のため、血液検査、画像検査(レントゲン、エコー)等を実施します。

麻酔前に麻酔リスクを評価するために麻酔前検査を行います。

STEP
全身麻酔下での口腔内検査
口の奥の粘膜が赤くただれている

口内炎のほかに、歯周病や吸収病巣、腫瘍等がないか確認します。また、抜歯する際の歯の状態確認のために歯科用レントゲンで歯のレントゲンを撮影します。

STEP
全臼歯もしくは全顎抜歯を行う

歯肉を切開し、歯槽骨を露出させて、歯槽骨を削り、歯を抜歯します。抜歯後は、残根がないか必ず歯科用レントゲンで確認して、問題なければ、歯肉を吸収性の糸で縫合します。

抜歯後、歯肉を吸収糸で縫合したところ

比較的早期に抜歯治療を行った場合、2週間後の再診時にはすでに赤みが引いている子もいます。重症の場合や、ステロイドを長期使っている子の場合、改善するまでに、年単位要する場合もあります。

術後3か月時の口腔内の状態

猫の歯肉口内炎の手術費用は?

本人の状態にも左右しますが、おおよその費用を以下に示しておきます。

・麻酔前検査代(胸部レントゲンや血液検査等):10,000円~

・全身麻酔代(麻酔時間や使用する薬剤で変動):10,000円~

・歯科用レントゲン撮影代:3,000円~

・全臼歯抜歯代:70,000円~

 全顎抜歯(犬歯と切歯も抜歯)の場合:130,000円~

・術後の抗生剤や鎮痛剤などの内服代:1,000円~


・入院代:1泊につき+10,000円~

総額で100,000~200,000円前後になることが多いです。全臼歯抜歯の場合、最短で日帰り手術になります。術前の状態や術後の経過次第では数日入院になります。

まとめ

・猫の歯肉口内炎は一種のアレルギー反応と考えられており、その根本的治療には抜歯が効果的

・猫の口が臭う、口が痛そう、よだれが多い、口の奥の粘膜が赤い場合には口内炎かも?

・長期的なステロイドの使用は、外科的治療の成功率を下げるため、推奨されない

東大宮にある駅前通り動物病院では、猫の歯肉口内炎に対する外科的治療を実施しています。より猫ちゃんの負担が少なく、効果的な治療ができるように歯科用レントゲン、デンタルユニット、高性能ルーペを導入しています。

口内炎かも?と思ったらぜひご相談下さい。

駅前通り動物病院では医療機器を完備

血液検査機器

各種血液検査機器を完備しているため、院内で血液検査を実施できます。15分前後で結果がでるため、スムーズに治療に移ることができます。

デジタルレントゲン検査機器

デジタルレントゲンシステムを導入しているため、撮影からデータの描出まで、数分で終わるため、スムーズに治療に移行することができます。

歯科用デジタルレントゲン装置

2022年の秋に新たに歯科用デジタルレントゲンを導入しました。増加する歯周病の治療成績をより向上させるために、また客観的な情報を提供するために役立ちます。

高性能サージカルルーペ

歯周病治療などの際に、徹底的な歯周ポケットの洗浄、歯石除去やより質の高い治療を実現するために2022年10月に導入。

超音波検査機器

超音波検査により、お腹の中の臓器を評価したり、心臓の構造・機能を評価したりすることができます。プローブを当てるだけなので、痛みもなく動物たちのストレスを最小限に検査ができます。

内視鏡装置

猫の場合、内視鏡は全身麻酔をかける必要があります。しかし、お腹を開けることなく、食道、胃の中、十二指腸などを観察することが可能です。また、鼻の中や、喉の奥も観察することが可能です。

歯科用ユニット

3歳以上の猫の70-80%が歯周病と言われています。そのような背景の中、当院では歯周病の治療に力を入れています。より短時間で歯周病治療を実施できるように歯科用ユニットを導入しています。

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16:00~19:00

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どうぞ、お気をつけてお越しくださいませ。

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この記事を書いた人

東大宮にある駅前通り動物病院の院長。
猫と楽しく生きるための情報を発信しています。

このサイトは猫との生活をターゲットにしています。犬バージョンもありますのでぜひ!!

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